泣い愛
「ねぇメローネ。…わたしが死んだらメローネへの愛はどこにいっちゃうんだろうね」
ミルクティーを飲み、ため息を吐くついでにそう呟いた。
愛は見えないけど、たしかにここに、在る。
ここにあるっていうことはわたしが死ぬのと同時に愛がなくなるのはちょっと不自然だ。
ん、んんん。
難しくなってきた。
古くさい映画の台詞なら、「君の愛は僕の中で生き続けるよ」なんて言うんだろうけど。
それはメローネの私に対する愛なわけで、結局私のメローネに対する愛の居場所は見つからない。
「…そうだな。」
彼はしばらく考えて話を始めた。
「もしもって話でもが死ぬなんて考えたくはないが、」
わたしはメローネの、まるで教え子に諭すようなしゃべり方が好きだ。
「その愛は君が死んだら一緒に無くなるんだろうね」
「…どういうこと?」
「愛っていうのは存在するさ。確かにね。でもそれはあくまでという器の中に存在するわけであって、俺の中に存在するわけじゃあない。ここまでわかるね?だから君が死んだとき、君の中の俺への愛も一緒に死ぬんだ。つまり、その瞬間俺は片思いになるってこと。寂しい話だけどね」
「ほんと、寂しい話。わたしの期待した答えとはぜんぜん違う。だってそんなの不自然だもん」
メローネは困ったように笑った。
わたしは、本当は、古くさい映画のような台詞が聞きたかったんだ。